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Wカッペ終わっただととととおおおお!?
by sakasakasn2
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とてつもなく欲しかったものの話

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18の時にパソコンを買ってからというもの、1年に1回くらいのペースで思い出したように「たまごっち」の画像を検索してしまう自分がいる。
今の10代の子はもう知らないし興味もないかもしれないけれど、私が小学生の頃はとてつもないたまごっちブームだった。
私達はとにかくあの手触りのいい、カラフルなたまご型のゲーム機が欲しくて欲しくてたまらなかった。
こういうブームの場合、たいていクラスに何人かは「こんなの興味ないよ」とそっけない子達が出るものだけど、品薄戦略も功を奏してか、たまごっちの場合は奇跡的にクラス全員が夢中になり、誰もが欲しがる夢のアイテムになっていた。

「品薄、品薄」と言いながらも、まず流行に敏感なイケイケ系の子達がどこからか手に入れ持ち始める。次にお家がリッチ系の子達が持ち始め、だんだん「私も買った」「俺も手に入れた」、「竹下通りなら買えた」「まだ持ってないの?」「OOちゃんも早く買いなよ」こうなり始める。
たった2000円だった。当時の値段は。大人が本気を出せば5つくらい買える値段だった。当然、ブームが最高潮に達し品薄が緩和される頃にはクラスのほとんどの子が1つは「自分だけのたまごっち」を持つようになっていた。

しかし、私はとうとう最後まで持てなかった。小学校卒業の頃にはブームも去り際で投げ売りなんて話も聞いたけど、それでもとうとう買ってもらえなかった。
私の親は、なぜかたまごっちを20000円だと勘違いしていた。。。

だから「たまごっち」と聞くと、とにかく涙ぐましい思い出ばかりが脳裏に蘇る。
とてつもなく欲しいのに誰も買ってくれないから、道端で拾った丸い石にマジックペンで画面とボタンを書き、それをポケットに入れ「持ったような気」になっていた。
ブームの隆盛期にはコンビニエンスストアにさえ"模造品"が売られ、私はおこづかいをはたいてそれを買った。「ペンP」とかいうペンギンを育てる模造品だった。
嬉しくも悲しい気持ちでそれを学校に持って行ったら、すでにたまごっちに飽き始めていた友達などは「え~!珍しい!そっちの方がいいかも~!」などとのたまった。

「ペンP」はそれなりに可愛かったし、白黒のドット画面でペットを育成するという基本は変わらない。
でも、それでもやっぱり「たまごっち」の輝きには敵わないのだ。
君が今持っているその手垢にまみれ細かい傷がついた、使い古しの飽きかけのたまごっちは、私が2年間どんなに欲しいと願っても誰も買ってくれなかった、たった2000円の宝石なのだよ。
隣の芝は青く見えるだけなんだよ、ブームの真っ只中でそれを買ってもらえた君が、買ってくれる人がいた君が、私はめっちゃうらやましい、とてつもなく欲しかったんだよと、今もタイムマシンに乗ってあのラケちゃんに言いに行きたい。

それから半年くらいペンPで遊んで、私も飽きた。結局たまごっちも手に入れてしまえばこんなものだったのかもしれない。いつもみみっちにしかならないし、レアキャラに育てようとすれば手間がかかるし、そのうち嫌になって飽きてしまう。
それから物を整理したり大掃除をしたりしているうちに、いつのまにかペンPはどこかへ行ってしまった。熱しやすく冷めやすい主人にあたってしまった不幸などさらりと忘れて、今頃は北極で幸せに暮らしていればいいと思う。

そして私が中学生になる頃にはすっかりたまごっちブームは去り、「未だにあんなオモチャを得意顔でぶら下げてる奴なんかダサイよね」。
私もたまごっちが欲しかった気持ちなんてすっかり忘れていた。けど、友達との会話や雑誌、日常生活のどこかでごくたまに「たまごっち」がわき出た時、私の胸にはあの頃の、たまご型の焼きごてを押し付けられたような「買えなかった痛み」がこみ上げるのだった。

そして高校生になった時、ある日ふとデパートへ行き「たまごっち」を買った。
小学生の頃、「あそこに行けばきっと買えるのに」と毎日思っていたデパートのオモチャ売り場だった。売り場のおばさんに「たまごっちありますか?」と聞いたら、レジの内側から3種類出してきてくれた。
万引き防止のためにそうしていたのか、陳列棚を追い出されたからだったのかはわからない。
私は少し迷ってその中から水色のたまごっちを選び、余っていたバイト代から1000円札2枚とちょっとを払って買った。

パックを開いて絶縁テープを引っこ抜いて、昔身を焦がすように憧れたたまご型をギュッと握ってみた。
「ふ~ん、こんな物か」と思った。3つ付いてるゴムの小さなボタンは、今の私の大きな親指で押すのはしんどかった。やっぱり、私の手がもっと小さかった時にこれを手に入れたかった。"たった2000円"でも、きっと天にも昇るような幸せを感じられたと思う…。

そして大人になった今、1年に1回くらいのペースで思い出したように「たまごっち」の画像を検索してしまう自分がいる。1番最初に出た「初代」の画像を見ては、小さかった頃の自分がこれを持って遊んでいる姿なんかを想像してしまう。
高校生の時に買った水色のたまごっちは、電池切れで机の引き出しで眠っている。
ときめきは時間がたつと消えてしまう運命だから、燃え上がった時、熱く感じるのかもしれない。
by sakasakasn2 | 2009-07-14 06:16
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